琉球新報社は2日までに、沖縄県内41市町村の首長と県選出・出身国会議員12人を対象にした憲法に関するアンケートを実施した。回答があった33首長のうち、改憲論議でまず議論されるとみられている「緊急事態条項」の必要性について9人(27・3%)が「必要だ」と回答した一方、14人(42・4%)が「必要でない」とし、否定的な評価が上回った。「どちらとも言えない」「無回答」が計10人に上り、緊急事態条項の議論が十分尽くされていない現状も浮かび上がった。
緊急事態条項は、大規模災害や他国からの武力攻撃などに迅速に対応するためとして、政府・自民党などが必要性を主張している。
国会議員では、政権与党の自民党所属議員5人を含む計6人が「必要だ」と回答。5人は「必要でない」とした。1人は無回答。憲法9条改正については自民党議員5人が「変える必要がある」とし、野党議員6人が「必要はない」とした。
現行憲法については回答した全ての首長・国会議員が「高く評価する」「評価する」を選択。9条改正については回答者の約7割(24人)を占める首長が「変える必要はない」とした。「変える必要がある」としたのは3人(9・1%)だった。
一方で憲法改正すべきかどうかとの質問には、首長の14人(42・4%)が「現在の憲法を基軸に条文の追加や見直し」と回答。「憲法を変える必要はない」とした13人(39・4%)を上回り、9条以外の条文見直しや「加憲」を認める首長が多数となった。「全体的な直しによる新憲法の制定」を選んだ首長も1人いた。
調査はアンケート用紙を4月15日にFAXで送付して実施した。宜保晴毅豊見城市長、下地敏彦宮古島市長、中山義隆石垣市長、古謝景春南城市長、伊集盛久東村長、島袋秀幸伊江村長、仲田建匠南大東村長から回答はなかった。佐喜真淳宜野湾市長は、訪米出張のため回答できないとした。