沖縄市史、CDに収録 用語検索、収納も容易に


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初めて市史の文章自体を電子記録媒体に収録した沖縄市の市史第3巻民俗編=沖縄市役所

 【沖縄】沖縄市の市史編集担当が発行する沖縄市史第3巻民俗編が、初めて文章をCD―ROMの電子記録媒体に収録し注目を集めている。用語検索の容易さや収納しやすい大きさ、カラー印刷できることなどが魅力だ。1525ページに及ぶ本論をPDFファイルで収録したCD編のほか、概要をまとめた冊子編がある。戦前、戦後の市民生活に関わる衣食住、年中行事、芸能・娯楽、言語など多岐にわたる情報を網羅している。

 市史は1944年時点の字ごとの「屋号地図」や、英語をうちなーぐち式に話した「ウチナーアミリカグチ」、字ごとの祭事・信仰、各地の郷友会の歴史などにも言及している。
 戦後米軍基地の建設に伴い、急激に都市化した沖縄市。編集担当の松川聖子さんによると、沖縄市には55年時点で北大東村以外全ての県内市町村から、仕事を求める労働者が移住してきていたという。松川さんは「市町村史では戦前の暮らしが重視されがちだが、沖縄市の場合は戦後の暮らし、文化も注目される」と説明した。
 本論を電子記録媒体に記録することで、経費も削減した。CD編は「沖縄市の歩み」「いのる」「楽しむ」「くらし」の各項目が計2時間収録されたDVD付き。税込み2千円。冊子編は同千円。
 84年の「第2巻文献資料に見る歴史」で発刊が始まった沖縄市史は全9巻で構成する。残すは第1巻通史編、第5巻移民・戦争編、第6巻戦後編となった。問い合わせは同担当(電話)098(929)4128。