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大衆ラーメン”バリ高っ” 「庶民のグルメに戻して」 福岡でも相次ぐラーメン値上げ 1杯にいくらまで?理想の値段は? アンケートで調査(西日本新聞提供 ~パートナー社から~)


大衆ラーメン”バリ高っ” 「庶民のグルメに戻して」 福岡でも相次ぐラーメン値上げ 1杯にいくらまで?理想の値段は? アンケートで調査(西日本新聞提供 ~パートナー社から~) 「ふくの家」の1杯400円のラーメン
この記事を書いた人 琉球新報社

 「ラーメンを『庶民のグルメ』に戻して…」。西日本新聞「あなたの特命取材班」に、ラーメン店で相次ぐ値上げを嘆く投稿が寄せられた。物価の高騰で店の利益確保には価格転嫁が避けられない一方、“大衆食”として親しまれてきた一杯でもある。値上がりには抵抗感を抱く人も少なくないようだ。

 投稿者は福岡県の40代男性。味や手頃な価格が気に入っていた行きつけのラーメン店が値上げし、2年前に500円台だった1杯が今は700円台になったといい「残念だ」と話す。

 取材班はLINEでつながる「あな特通信員」を中心にアンケートを実施。西日本新聞ウェブサイトでも声を募った。12月3日までの約1カ月間で727件の回答があり、うち約8割を「福岡県在住」とした人が占めた。

 普段の食事でラーメン1杯に払う限度額を百円刻みで尋ねたところ、「600円程度」「700円程度」「800円程度」との回答が20・5~20・9%でほぼ同数。一方、理想的な価格は「500円程度」が37・6%で頭一つ抜け、その値段なら「気軽に食べられる」(41歳、福岡県大牟田市の公務員男性)という声が多かった。

 福岡県みやこ町の会社員女性(33)は「食材にこだわった高級志向や変わり種なら千円を超えても納得できるが、昔ながらの日常的なラーメンはワンコイン程度で食べたい」と答えた。

 数年前と比べてラーメン店に行く頻度が「減った」と答えたのは57%。「変わらない」は39%で「増えた」はわずかだった。頻度が減った理由(自由記述)は約4人に1人が価格面を挙げ、北九州市の会社員男性(38)は「値上げ幅が小さいうどん店に行くことが増えた」。ほかに「外食そのものを減らした」、「観光客が増えて混み合っているから」という意見も。

 価格維持のために店がサービスを減らすことには約7割が「(程度にもよるが)我慢できる」と許容。減らしてもいいもの(選択回答)は、店員による食器の片付け▽店内のティッシュペーパー▽卓上の紅しょうがなど-の順に多かった。

 総務省の小売物価統計調査によると、福岡市内のラーメン(中華そば)の販売価格は10年前の2012年12月は510円だったが、22年12月は587円で15%上昇。一方、熊本市は567円が680円(20%上昇)▽長崎市が570円が740円(30%上昇)-で、福岡市での値上げは比較的穏やかでもある。値上げは原材料高だけではなく、人手不足による人件費上昇の影響もあるとみられる。

 アンケートでは、値上げについて「このご時世、仕方ない」(58歳、福岡市の男性会社員)と容認する意見が目立つ。一方で、「ラーメンが高級食のようになってきたのが少し残念な印象」(28歳、福岡市の男性会社員)と、投稿者に賛同する意見も少なくない。

 北九州市の男子大学生(19)は「ラーメンブームや店のブランド化で、庶民の日常的な食事というよりも観光客向けの特別メニューになってきていると感じる」と寄せた。

(西日本新聞・仲山美葵)

※アンケートは多様な声を聞き取るのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。