自殺防止へ相談員増 「沖縄いのちの電話」、24時間体制目指す


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沖縄いのちの電話の(左から) 浜端宏次事務局長、国吉守理事長、渡久山朝裕運営委員、仲地博巳運営委員=9日、琉球新報社

 自殺したいと悩む人の話を聞き、自殺防止に取り組む「沖縄いのちの電話」の事務局が、相談員のボランティアを募集している。現在、約90人の相談員が毎日午前10時~午後11時に電話を受け付けているが、事務局が目指すのは24時間体制。国吉守理事長は「24時間体制にするには200人は必要だ」と話し、相談員養成に向けた「カウンセリング公開講座」への応募を呼び掛けた。

 沖縄いのちの電話には2015年の1年間で1万194件の電話があり、そのうち1667件が自殺志向者からの電話だった。毎年約1万件の電話があり、相談員は数時間ごとに交代で相談に乗っている。自殺志向者が気兼ねなく電話できるようにするため、相談員は名前や身分を秘密にしており、活躍に光が当たることはない。
 運営委員の渡久山朝裕県立看護大准教授は「まれに『相談のおかげで自殺をやめた』と感謝を伝える電話もあるが、基本的には電話の後、どうなったのかは分からず成果は見えにくい。それでも一本の電話で心と心を通わす相談員は、陰の苦労人だ」と語る。
 相談員になるには、沖縄いのちの電話が6~9月に開くカウンセリング公開講座(前期課程)と、10月~来年3月に開く養成講座(後期課程)を受講する必要がある。受講料はそれぞれ2万円。
 カウンセリング公開講座の申し込みは5月末まで。講座は毎週木曜日の午後7~9時に那覇市のカトリック安里教会ホールで行う。全15回。申し込み、問い合わせは沖縄いのちの電話事務局(電話)098(888)4747。