子ども食堂、PTA運営へ 全国初、支援モデルに


この記事を書いた人 新里 哲
「てぃーだこども食堂」の運営協力を決議した浦添小学校のPTA総会=11日、浦添市の浦添小学校

 浦添市の浦添小学校PTA(梁(りょう)裕之会長)は11日、2016年度の総会を同小で開き、うらそえぐすく児童センターで毎週土曜日に開いている「てぃーだこども食堂」の運営協力をPTAの活動の一部とする活動計画を可決した。子ども食堂の会計をPTA事務局内で担当し、代表もPTAの役員が務める。PTAが組織的に子ども食堂の運営に関わるのは全国でも例がなく、日本PTA全国協議会も「詳しく知りたい」と関心を示している。

 「てぃーだ-」は、梁会長らPTAの有志が実行委員会に加わって昨年5月に立ち上げた。順調に展開する中、個人が会計まで担うのは負担が大きく、仕事の分担が課題だった。今後はPTAの専門部が子ども食堂の会計を担当し、PTA本体と同様に監査にもかける。寄付金の使途も明確に記録できるようになる。
 子ども食堂の実行委員会代表を務める梁会長は「しんどい子を支えることができれば学校も地域も明るくなると説明すれば、最初は疑問を持つ人も理解してくれた」と話した。
 「PTAなら『一部の人』ではなく、年代わりで多くの人が関わることができる。既存の組織を活用してこども食堂を支えるモデルとして、ほかの地域にも参考にしてもらえたら」と広がりを期待した。
 PTA副会長でもある浦添小の仲間一史教頭は「数人の保護者から始まった活動に理解が広がり、老人会なども協力してくれるようになった。地域の子どもを地域全体で育もうという気持ちを感じる」と手応えを語る。同校も、児童が通う学童保育や児童センターとの連携を密にして子どもの状況把握に努めていると言い「地域全体で課題解決に取り組む方向に進んでいる」と喜んだ。(黒田華)