琉銀、純利益100億円超 OCS子会社化寄与


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 琉球銀行(金城棟啓頭取)は12日、2016年3月期連結決算(対象子会社7社)を発表した。好調な県経済を背景に貸出金利息収入の増加や与信費用の減少などで、売上高に当たる経常収益は前期比8・9%増の599億3500万円となった。経常利益は5・1%増の100億3900万円、当期純利益は86・0%増の103億3100万円となり、最終利益で初の100億円を突破した。OCS(オークス)の子会社化による特別利益(負ののれん発生益)が全体を押し上げた。

 銀行単体では、経常収益が前期比3・9%増の402億3800万円。本業のもうけを示すコア業務純益は、システム開発に伴う経費などが膨らみ6・7%減の85億6800万円となった。経常利益は3・2%増の83億200万円、当期純利益は法人税の減少などで17・6%増の50億5200万円となり、3期連続の増収増益となった。
 貸出金の平均残高は5・1%増の1兆3953億1400万円。不動産業と医療・福祉業を中心に事業性貸し出しが増加したほか、住宅ローンなどの個人ローンも伸長した。貸出金利回りは0・08ポイント減の1・94%と低下傾向が続く。金城頭取は「利回りの低下分を貸出金ボリュームで補う。沖縄は資金需要があり、今後は利回りが高い個人ローンをいかに伸ばしていくかがポイントになる」と話した。
 預金の平均残高は4・3%増の1兆9855億4200万円。不良債権は金融再生法ベースで0・3%増の308億8800万円、不良債権比率は0・09ポイント減の2・09%。連結自己資本比率は0・04ポイント悪化の9・5%、銀行単体の自己資本比率は0・4ポイント悪化の8・7%となった。
 17年3月期の連結業績予想は、マイナス金利による収益環境悪化の影響を加味し、経常収益は1・6%減の590億円、経常利益は23・3%減の77億円、純利益が52・6%減の49億円と見込んだ。