お年寄りの日常 装具で疑似体験 真和志高・介護福祉の1年生


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
介助役の生徒に支えられながら階段を上る高齢者役の生徒=4月28日午前、那覇市の県立真和志高校

 視力や筋力が低下した高齢者の日常を体験し、高齢者に寄り添った介護を学ぼうと、県立真和志高校(高江洲武校長)の介護福祉コースの1年生37人は4月28日、同校で高齢者疑似体験教室に臨んだ。生徒たちは高齢者役と介助役に分かれ、高齢者の日常生活の困難さを実感したほか、介助する際の注意点を学んだ。

 介護福祉コースの1年生は、夏休みに介護施設での実習があり、事前学習として毎年、高齢者体験教室を開いている。同校介護福祉コースの照屋茜教諭は「高齢者の身体状況を知り、必要な支援を生徒自身で考える契機にしている」と話した。体験教室は県介護実習・普及センターの宮城栄子さんと城間雅己さんが講師を務めた。
 生徒らは2人から3人が一組になり、高齢者役の生徒は視野が狭くなる眼鏡や耳栓、重りの付いたベストやバンドを身に着け、高齢による視力や聴力、筋力の低下を体感。介助役の生徒のサポートを受けながら、階段の上り下りや新聞の閲覧などに挑戦した。階段の上り下りの際には、介助役が「あと1段あるよ」「気を付けて」と声を掛けながら、高齢者役の生徒を支えた。
 高齢者役を務めた与那城智希さん(15)は「階段の上り下りでは段差を踏み外しそうになり怖かった。今回知った高齢者の身体状態を意識し、夏休みの実習に臨みたい」と感想を述べた。