【熊本地震】続く余震、消えぬ不安 沖縄出身者、遠い「日常」


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地震で崩れ落ちた店舗の外壁を見て、ため息をつく熊本沖縄県人会の田村貴英会長=14日午前、熊本市中央区若葉

 【熊本県で真栄城潤一】4月14日に発生し、熊本県内各地で大きな被害をもたらした地震から1カ月が経過した。「いつ終わるのか」「また大きく揺れるのでは」。いまだに余震が続く中、不安を抱えながら日々の暮らしを送る沖縄県出身らの「日常」はまだ遠い。

 熊本沖縄県人会の田村貴英会長(69)は「一番不安になるのが余震だ。また大きなのが来るんじゃないかと、ずっとびくびくしている」と肩を落とす。熊本市中央区にある田村会長の自宅を兼ねた経営店舗は、2度の地震で建物にひびが入り、外壁が崩れ落ちた。業者へ修理を依頼しても、一向に来る様子はない。「事態があまりにも想定外なので、対応が追い付いているとは言い難い」と厳しい表情を浮かべる。
 「いつ終わるのか」。同県人会の許田重治事務局長(72)は深いため息をつく。地震直後から地域のボランティア活動に駆けずり回り、「あっという間の1カ月だった」と振り返る。許田さんによると、今のところ益城町など被害の大きな地域で避難生活をしている沖縄県出身者は確認できていない。許田さんは「幸いにも被害が小さかった。今後も自分にやれることをやって、微力ながら復興に役立ちたい」と語った。