平和憲法への思い訴え 5・15県民大会 基地なき沖縄、次代に


社会
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炎天下で登壇者の話に耳を傾ける県民大会の参加者ら=15日午後1時5分、那覇市の新都心公園

 「沖縄から基地をなくそう」「平和憲法への復帰を実現しよう」。1972年の施政権返還から44年を迎えた15日、那覇市の新都心公園で開かれた「平和とくらしを守る県民大会」の参加者は炎天下、平和への思いを口々に訴えた。

 平和行進の西コースを歩き、大会に参加した宮平光一さん(70)=北中城村=は44年前のこの日、与儀公園で開かれた集会に参加し、政府主催の復帰記念式典に抗議する拳を突き上げた。「政府は平和憲法への復帰を願った沖縄の思いを受け付けず、基地を残したままの復帰を国会で強行採決した。復帰後も基地負担は軽減されなかった」と指摘。「政府は今も辺野古の新基地建設を巡り県民を分断しており、全く変わっていない」と批判した。
 復帰後初の県知事を務めた故・屋良朝苗氏の出身地、読谷村から参加したのは知花蛍さん(33)=団体職員。復帰後も残る基地について「当たり前のように感じていたが、身近に基地があり、米軍機がいつも頭上を飛んでいるのは異常だ」と語る。「幼い子どもが2人いるが、将来に基地のない沖縄を残してあげたい。普天間飛行場は米国に返すべきだ」と強調した。
 名護市辺野古で新基地建設に反対する座り込みを続けている島袋文子さん(87)=名護市=も参加した。県外からの参加者も多いことに「心強い。基地も原発も人間が起こす問題。手を取り合っていけば解決できる」と強調し「戦争は沖縄であったのだから、沖縄の若い人ももっと参加してほしい」と述べた。
 山田真佐子さん(68)=宜野湾市=と娘の真由美さん(41)=同=はともに初参加。平和行進の様子は毎年目にしていたが、安保関連法を施行し、憲法改正を目指す政権への怒りで今回は参加を思い立った。真由美さんは「復帰を目指していた人たちは今のような状況を想像していなかったはず」と指摘する。真佐子さんは「それでも、集会を続けていることは素晴らしいことだ」と運動の広がりに期待した。