ビールが進みます! あの干物のお味は?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
うるま市の新たな特産物を目指す干物に舌鼓を打つ市民=12日、うるま市の石川漁業婦人直売店

 【うるま】うるま市は12日、うるま市内で水揚げされた地魚を使った干物の試食会を石川漁業婦人直売店で開いた。干物は市農水産業活性化アドバイザーの中澤さかなさんの発案で、市が2017年度中にオープン予定の農水産業振興戦略拠点施設で販売する水産物の目玉商品にする目的で作成した。参加した漁業協同組合や市社交飲食業組合の関係者らは「おいしい」と舌鼓を打った。

 中澤さんは山口県萩市の道の駅の駅長をしているが、全国の水産資源を活用した地域開発にも関わっている。県内を回っていると、沖縄に干物が少ないことに気付いた。「沖縄の魚は淡泊で水分が多く、干物に向いている。気候の問題で干物の文化が薄いが、冷風乾燥機で作ることができる。沖縄のカラフルな魚の干物は県外でも売れるはずだ」と自信を見せた。
 試食会ではタマンやガーラ、エーグヮーなどの比較的安価とされる地魚のみそ漬けや塩干しなどが出された。
 干す時に使う清酒の代わりに泡盛を使ったり、塩は地元の塩を使用したりと地域に特化した干物にする案もある。市経済部の上間秀二部長は「予想以上においしい。今後は干物に合う魚、合わない魚があると思うので試していきたい」と話した。
 市社交飲食業組合の西銘百合子副会長は「全部がおいしい。ビールが進むと思う。沖縄の魚はおいしいと思った。干物は保存もできるのがいい」と満足した表情を見せた。
 石川漁業協同組合の古謝哲次参事は「設備や売り方の課題はあるが、今まで価値がなかった魚を干物にすることで売れるようになると漁業者の利益になるのはうれしい」と新たな特産物に期待を込めた。