車イスでも大丈夫 「ゆいバーサル縁石」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
北谷町の浜川漁港付近で試験導入された「ゆいバーサル縁石」(県コンクリート二次製品協同組合提供)

 側道のブロック製造などに取り組む県内11業者でつくる県コンクリート二次製品協同組合(大城保一理事長)はこのほど、段差をなくした歩車道境界ブロック「ゆいバーサル縁石」を開発した。車いすで横断歩道を渡る際、車輪が段差に引っかからずに歩道へ上れるようになるなどバリアフリーに配慮した。組合は「沖縄のバリアフリー化につながってほしい」と話した。

 開発したのは歩車道境界のうち、歩道と横断歩道が接する場所などで使われる「中間ブロック」といわれるもの。従来、県内でつくられていた境界ブロックには2~5センチ程度の段差があり、車いすで歩道に上がる際に障害となっていた。

 新しい境界ブロックは2000年の交通バリアフリー法施行や、それに伴う国土交通省の基準通達、ガイドライン策定などを受けて開発した。車道と境界ブロックが接する部分の段差をなくし、代わりに縁石を緩やかなスロープにして車道と歩道をつなぐ仕組みだ。
 縁石の上部には直径3センチの突起を設け、視覚障がい者にも車道と歩道の境界を分かりやすくした。スロープ部分に滑り止め用の溝をつけたことで雨天時に滑りにくくするなど、一般歩行者にとってもメリットがあるという。

 北谷町の浜川漁港付近の道路で試験的に導入した。導入に当たっては歩道側の高さに制限があり、基本的に新設道路で導入できる。従来の縁石に比べ価格が5%程度上がることから、付加価値の高い縁石として訴求していく考えだ。同組合の上地勝男営業課長は「観光客にとっても、キャリーバッグが転びにくくなるなどメリットがある」と強調した。