山口・西京銀が那覇に事務所新設 7月上旬、アジア販拡支援


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 山口県周南市に本店を構える第二地銀の西京銀行(平岡英雄頭取)は18日までに、7月上旬に那覇市久茂地に沖縄事務所を新設する事業計画を公表した。那覇空港のハブ機能や日本唯一の国際物流特区に関する優遇制度などの情報収集をメインに行い、地方創生の取り組みの一環として取引先企業のアジアへの販路拡大を支援する考え。

 地方銀行の県内進出は、昨年9月に那覇市おもろまちに支店を開設した鹿児島銀行に続き2行目。沖縄事務所には2~3人の配置を予定している。個人融資や法人融資などの銀行業務を行う支店は設置せず、地元企業への情報提供を主な業務として展開する。
 3月に那覇と岩国(錦帯橋空港)を結ぶ路線が就航したことも事務所開設に弾みを付け、沖縄を訪れる外国人観光客の山口県への誘導にも取り組むという。
 西京銀行の担当者は「沖縄はアジアに近いという地理的優位性があり、インバウンド(外国人旅行客)も好調に推移している。沖縄で知見を広げることで、地元企業のアジアへの展開を後押ししたい」と述べた。
 同行は昨年11月に沖縄県と共催で「沖縄県ビジネス環境紹介セミナー」を山口で開催した。定員を超える参加があり、アジア進出に興味を示す地場企業が多かったことから、沖縄事務所を開設してアジア圏への販路拡大サポートを強化する検討が進んだという。
 西京銀行は山口を拠点に近隣の広島と福岡にも支店を設置している。2016年3月期決算は売上高に当たる経常収益が244億3600万円、経常利益が57億2300万円、当期純利益は過去最高の39億5500万円だった。貸出金残高は9171億円。預金残高は1兆1433億円。銀行単体の総資産は1兆2260億2200万円。