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男子2位 濱崎、万事尽くし晴れやか<第29回2024おきなわマラソン>


男子2位 濱崎、万事尽くし晴れやか<第29回2024おきなわマラソン> 2位でゴールした濱崎達規=18日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 濱崎達規(35)=浦添市=はレース前から「富安君に挑戦する」と燃えていた。実力者の名を以前からよく知っていた。粘り強く走り抜いたものの、結果は2位。優勝を逃したが「万事尽くした」と心は晴れやかだった。

 初めから「(富安の)体力を削る」と意識し、1キロ3分10秒のペースで走り始めた。おきなわマラソンのコースとしてはハイペース。序盤からきつさは感じていたが、10キロ付近、与勝中学校へ上る坂道で勝負をかけた。

 先頭集団の中から、「ここは自分が突っ走る」と力強く駆け上がった。与勝中陸上部で毎日のように練習で走った場所。入り口のコーナーで力強く踏み込み、ぐんぐん上って先頭へと躍り出た。

 上り終えた後もしばらくは富安を背にして走った。「やった」と手応えを感じたが、20キロ手前で富安が前へ。必死に食らいつくが、徐々に差を広げられた。「沖縄のランナーとしてなめられたくない」。富安の背は遠のいていくが決して諦めなかった。

 富安が足がつって止まった場面もあったことを知り、「(背中を)つかめなかった。ゴールを目指すので精いっぱい。完敗だ」と振り返る。それでも、最後に語ったのは、悔いる言葉ではなく「すがすがしい」の一言だった。

 (名波一樹)


 第29回2024おきなわマラソン(主催・中部広域市町村圏事務組合、琉球新報社、沖縄テレビ放送、沖縄陸上競技協会、県総合運動公園指定管理者トラステック)が18日、沖縄市の県総合運動公園を発着点に開催された。フルマラソンの競技部門は富安央(27)=愛知県=が2時間22分15秒、女子は池原綾乃(38)=浦添市=が3時間0分21秒で優勝した。一般の部男子は富田繁生(42)=那覇市=が2時間39分3秒、女子は上間有貴(47)=宜野湾市=が3時間29分16秒で栄冠をつかんだ。

【競技の部 男子上位結果】

(1)富安央(愛知県)   2時間22分15秒
(2)濱崎達規(浦添市)  2時間23分13秒
(3)黒田雄紀(千葉県)  2時間26分25秒
(4)今井隆生(埼玉県)  2時間31分51秒
(5)前新城羽信(滋賀県) 2時間32分10秒

【競技の部 女子上位結果】

(1)池原綾乃(浦添市) 3時間0分21秒
(2)川内侑子(埼玉県) 3時間2分13秒
(3)長山夢芽(大阪府) 3時間2分31秒
(4)米倉まり(福岡県) 3時間12分2秒
(5)東江那津(西原町) 3時間18分44秒

【高校の部 男子上位結果】

(1)幸地弘樹(那覇市) 3時間44分52秒
(2)柿谷悠貴(埼玉県) 3時間57分14秒
(3)北島碧(宜野湾市) 4時間12分35秒
(4)高嶺秀麻(糸満市) 4時間14分52秒
(5)横山大新(埼玉県) 4時間21分52秒

【高校の部 女子上位結果】

(1)千葉慈生(埼玉県)  4時間55分3秒
(2)生一風花(南城市)  5時間39分34秒
(3)西銘りこ(八重瀬町) 5時間50分5秒
(4)村吉凛(那覇市)   5時間57分2秒
(5)城間唯(那覇市)   5時間57分2秒


<レース展開>富安、25キロから追随許さず

 平坦な道が続く序盤は外間勇太、濱崎達規、富安央、黒田雄紀の4人が先頭集団を形成した。10キロ付近の上り坂で濱崎がスパートをかけて先頭に立つ。ここで外間が脱落し、3人で争う展開となった。20キロ付近で3番手だった富安が抜け出し先頭へ。黒田は遅れ、濱崎が後ろから追うも徐々に差が開いた。25キロ地点すぎにはほとんど富安の独走状態となった。29キロ手前で富安は足がつって一時止まったが、2位以下の追い上げを許さずそのままゴールした。