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侍J「完全」継投 欧州代表に2―0野球日本代表強化試合【7日の試合】


侍J「完全」継投 欧州代表に2―0野球日本代表強化試合【7日の試合】 欧州代表戦に先発した金丸=京セラドーム
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 野球日本代表が7日、京セラドーム大阪で欧州代表と強化試合の第2戦を行い、6投手の継投による完全試合を達成し、2―0で勝った。5―0で快勝した6日の第1戦と合わせて2戦全勝。先発の金丸(関大)の2回4奪三振の快投から、中村(愛知工大)と松山(中日)渡辺翔(楽天)が1回ずつリレー。隅田(西武)も2回で4三振を奪い、種市(ロッテ)が2回を投げて試合を締めた。6人で計15奪三振。打線は二回に山本(DeNA)の犠飛で先制し、八回は万波(日本ハム)の二塁打を足場に失策で加点した。日本が2連覇を目指す11月の国際大会「プレミア12」を見据えて2試合が組まれた。若手のプロ選手を中心に編成され、大学生4人も選出。新戦力の台頭が目立った。

関大・金丸 鮮烈代表デビュー 2回無失点、4奪三振完璧投球

 継投による完全試合を達成した投手陣の1番手は、異例の抜てきをされた大学生左腕だった。関大の金丸が2回無失点、4奪三振の完璧な投球で鮮烈な代表デビュー。「真っすぐの球威もあり、チェンジアップもスプリットもいい感じ」と振り返る納得の出来だった。

 一回先頭からいきなり150キロをマーク。スタンドのどよめきに浮足立つ様子もなく、制球良く直球に変化球を織り交ぜて打者を翻弄(ほんろう)した。二回2死で迎えた6番打者には、2ストライクからこの日最速の151キロを外角に決めてバットに空を切らせ、拍手に包まれながらベンチへ戻った。

 大学生ながら日本代表に選出され、成長の機会にしようと必死の日々を送る。練習では、21歳で同い年の山下(オリックス)や同じ左投げの隅田(西武)らにトレーニング方法や変化球の感覚などを熱心に聞いた。

 神戸市出身で兵庫・神港橘高から関大へ。昨秋のリーグ戦では6試合に登板して6勝し、優勝に導いた。ドラフト1位指名は確実視され、ネット裏からはスカウトが熱視線を送った。「これからの日本代表を背負っていけるような選手になりたい」と活躍を期す有望株が、強烈な存在感を残した。


西武の隅田は3者連続三振

 隅田(西武)が六回から登板し、緩急を生かして3者連続三振と圧巻の投球を披露した。七回も西川(青学大)の好守に助けられて3人で片付け、2回で走者を許さず無失点。「持ち味をしっかり出して三振を取れたので良かった」と納得の表情だった。

 昨秋のアジアプロ野球チャンピオンシップでも、1次リーグの韓国戦で7回3安打無失点と好投。11月の国際大会「プレミア12」の代表入りへ、サウスポーが再び井端監督にアピールした。

大学生西川、攻守で輝き

 青学大の西川が「1番・中堅」で初先発して、攻守にガッツあふれるプレーで輝いた。

 一回の安打で6日の第1戦から3打席連続安打とした。身長196センチのゾルバッハに2球で追い込まれたが、ノーステップ打法に切り替えて変化球をしっかりミート。投手を強襲した打球が転がる間にヘッドスライディングで滑り込んだ。

 七回の守備では中前に弾みそうな鋭い打球に反応良く前進して、ダイビングキャッチ。「先頭打者を絶対に出したくなかったので思い切り前に突っ込んだ。アウトになって良かった」と話した。


日本
 010 000 010|2
 000 000 000|0
欧州

(日)金丸、中村、松山、渡辺翔、隅田、種市―山本、古賀
(欧)ゾルバッハ、ハイヤー、ダシルバ、シュラー、バエス、ボッキ、ケリー―リノ、ミネオ
▽勝 金丸
▽S 種市
▽敗 ゾルバッハ
▽二塁打 中野、万波
▽犠飛 山本
▽失策 リディ、バレリオ
▽試合時間 2時間34分

金丸投手が流れつくる

 日本・井端監督の話 先発の金丸投手がいい流れをつくってくれた。プロの投手も緊張して登板していたと思う。見応えがあった。いい経験ができた。今後に生きると思う。

(共同通信)