【伊江】高校進学など15歳で親元を離れる伊江村の子どもたちの自主自立を育む取り組みの一つとして、伊江村学力向上推進委員会家庭教育部会(玉城盛栄部長)は23日、子どもが作る「弁当の日」を実施した。村内2小学校の5・6年生と担任教諭、伊江中学校の全生徒と教職員は給食時間に自分が作った弁当を味わい、笑顔を見せた。学期ごと、年度内3回の取り組みで4年目を迎えた。
献立、買い出し、調理、片付け、帰宅後に弁当箱を洗うまで全ての行程を子どもたち自身が行う「弁当の日」に初挑戦した両小学校の5年生。登校時から「キャラ弁作ったよ」など弁当の話題で持ちきりだった。
西小学校の給食時間には、5年生と3年生、6年生と4年生が肩を並べ、5・6年生は自作の弁当を、3・4年生は給食を囲み、一緒の時間を過ごした。弁当作り初挑戦の赤田雅透君(5年)は、「(から揚げや卵焼きなど)朝4時に起きて全部自分で作った。やけどしちゃった」と笑顔で話した。
伊江小学校でも6年生と4年生が交流。4年生の喜屋武宗緋君は「もらいたいぐらいおいしそう」と6年生の弁当をうらやましそうにのぞき込んでいた。
玉城部長は「高学年は自作の弁当を低学年に見せることでさらに自覚と誇りに満ち、弁当を見た低学年は憧れを体感する。村民の意識が定着したので次の段階にきた。環境づくりを継続したい」と述べた。
5年生は「弁当の日」を迎える前の家庭科の授業で、ゆでることを習得。弁当箱からはホウレンソウのおひたしやゆで卵が顔をのぞかせ、授業が実践で生かされていた。(中川廣江通信員)