離島でも安心、HIV専門チーム 通院負担を軽減


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県立宮古病院でHIVの患者の診療を担当する専門チームのメンバー=31日、県立宮古病院

 【宮古島】離島におけるエイズウイルス(HIV)感染者の負担軽減を目指し、県立宮古病院(上原哲夫院長)が昨年6月に立ち上げた医師や薬剤師、看護師ら9人で構成する医療チームの発足から1年が経過した。専門の医療チームは県内離島では初めて。メンバーは「患者にとってコストが低く利便性もいい」と話す。チーム一丸となった取り組みは、沖縄本島と離島の医療格差の解消につながっている。

 チームの結成前は、患者は数カ月に1度、薬を受け取るだけのために沖縄本島に通院する必要があった。
 宮古病院では主に安定期の患者を受け入れているが、エイズが発症しても対応できる体制を敷いている。

 地域社会が狭い離島での診療となるため、メンバーが心掛けているのは患者との対話とプライバシー保護だ。心理士の佐藤聡美さんは「患者とは信頼関係があり、メンバーに話せば大丈夫と思ってもらえている」と強調する。チームの中核となる杉田周一医師は「HIVは簡単に感染することはなく、死ぬような病気でもない。もし感染しても、重症化する前に早めに治療を受けてほしい」と呼び掛けた。