5日投開票の糸満市長選 候補者の政策はいかに?


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4月に開園した幼保連携型認定こども園=糸満市喜屋武

 【糸満】6月5日投開票の糸満市長選挙。立候補しているのはいずれも無所属で、新人の上原昭氏(66)=自民、おおさか維新推薦=と現職の上原裕常氏(67)の2人。経済振興や教育・福祉、観光などを争点に選挙戦を繰り広げている。投開票が迫る中、糸満市が抱える課題と両候補の政策を紹介する。(赤嶺玲子)

■経済活性化

IT専門校を誘致 上原昭氏
新ホテルで雇用増 上原裕氏

 市税収のうち、地域の経済状況を測る目安となる法人市民税収入。2006年度の糸満市の同税収入は約2億8910万円。10年度は3億885万円、14年度は約2億9753万円となっており、ほぼ横ばい傾向が続いている。

 税収増を目指し、今選挙では両候補とも企業誘致をはじめとする経済振興を重要政策として位置付けている。

 上原昭氏は県や国と協力して「県立ITパーク構想」を実現させ、IT企業や人材を育成する専門学校を誘致し、雇用拡大につなげる考えだ。

 上原裕常氏はITセンターやリゾートホテルを誘致し、1200人規模の雇用創出を目指す。資格取得を含む雇用創出事業も推進する考えだ。

■観光振興

 15年度に市が策定した「糸満市観光振興基本計画」によると、市を訪れる観光客の滞在時間は半日以下が約72%となっており、宿泊滞在型観光をどう展開していくかが課題だ。

 上原昭氏は長期滞在リゾートと周遊型観光の形成に向け、大型ホテルの誘致や観光拠点の形成を図る。平和観光と歴史遺産を組み合わせた「歴史と平和を学ぶ周遊の道構想」の実現も目指す。

 上原裕常氏はリゾートホテルの誘致や観光の視点を含めた公設市場の改築を推進。交流拠点となる市文化・平和・観光振興センターの建設を実現させ、糸満の魅力と情報発信の充実を図る。

■待機児童

認可園の増設図る 上原昭氏
乳幼児の枠を倍増 上原常氏

 2015年4月1日現在、糸満市の待機児童数は127人。市は15年度に小規模保育事業や保育所増築、認定こども園の設置などを実施し、定員を296人増員した。市は今後も事業を進め、待機児童ゼロを目指す。

 市の喫緊の課題である待機児童解消に向け、両候補とも政策を打ち出している。

 上原昭氏は認可保育園の増設や認定こども園の普及、保育士の待遇改善、幼稚園での預かり保育、学童保育の充実を政策として掲げている。

 上原裕常氏は認可保育園の定員増や認定こども園整備の実績を強調。乳幼児受け入れ枠の倍増など多様な受け皿整備を政策として掲げている。