綱紀粛正「絵に描いた餅」 米兵酒酔い逆走事故で翁長知事 地位協定改定を重ねて訴え


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 沖縄県の翁長雄志知事は6日未明、米兵酒酔い逆走事故を受け、米軍や日本政府が示したばかりの再発防止策を挙げ「全く絵に描いた餅だ」とその実効性を厳しく批判した。その上で「私の政治行動としては、日米地位協定の改定や、0・6%の国土面積しかない沖縄県に74・46%の米軍専用施設があるということを抜本的に解決しないと駄目だということをこれからも伝えていきたい」と改めて地位協定改定の必要性を訴えた。

 5日の県議選の結果を受けた記者団との質疑で、自ら事故に言及し「政府が改善策を出し、(5月27日から)1カ月間飲酒禁止もやったが、またきょう(5日)の飲酒運転の事故で、何ら綱紀粛正の役に立っていない。地位協定改定などが直らない限り駄目だというのが今選挙の結果を招いた。県民が判断してくれたのではないか」と述べた。

 日本政府が示した監視強化の犯罪抑止対策については「菅義偉官房長官が大々的に県議選の2日前に、警官を100人増やすとかいう話をすることが、いかに抜本的な解決につながっていないかを本当に県民はよく分かっている」と強く批判した。その上で「地位協定の改定まで踏み込まないと、県民からすると納得できない上に、年月がたつ中で対処策がほとんど意味をなさなかったというのが、これからの事件事故の中で証明されるのではないか」と見通した。