島の歯科治療支える 福島から移住の高野さん


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渡嘉敷村で初めて歯科診療を完全開業した高野さん=2日、渡嘉敷村診療所

 【渡嘉敷】2002年から先月29日までの13年余り、毎週土、日のみ開業していた渡嘉敷歯科診療所が1日から日曜、祝祭日以外は完全開業している。歯科医師の高野匠さん(57)=新潟県出身=が妻の満子さん(42)と福島県から島に移住して歯科業務に当たることになり、住民はいつでも治療が受けられると喜んでいる。

 渡嘉敷村への歯科医移住と個人の完全開業は初めて。高野さんは滋賀、京都、福島で歯科医院を開業していたが、今後は暖かく海のきれいな地域で暮らしてみたいと開業場所を探していたところ、渡嘉敷村がネットで医師を募集していることを知り、渡嘉敷村役場に連絡。2月前に下見に島を訪れた際に条件もぴったり合い、住宅も確保できたことから移住を決めたという。

 同診療所は渡嘉敷村管理で診療機材、施設設備は全て村が無償提供している。5月までは糸満市で開業する金林卓哉医師(57)が13年余、土、日に島を訪れ診療していた。

 高野医師は「タイミングよく希望がかなった。自然に恵まれた島で、地域の医療に貢献できたらうれしい。住民と親しくお付き合いし、島に永住する。趣味の釣りやダイビングにチャレンジしたい」と島生活を楽しみにしている。

 松本好勝渡嘉敷村長は「住民も安心感がある。家庭の経済的な負担軽減にもなり、高野先生夫妻へ期待も大きく、大歓迎だ」と感謝した。
(米田英明通信員)