沢登り 自然と一体 石垣・名蔵アンパル守る会企画


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前勢岳のウガドゥカーラの沢登りを楽しむ参加者=4日、石垣市

 【石垣】国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」に登録される石垣市西部に広がる名蔵アンパルの自然を守る会は4日、アンパルの水系の一つで前勢岳北側を流れる「ウガドゥカーラの沢」で沢登り体験会を開いた。この沢の下流部はゴルフ場の建設予定地に重なっているとして開発の影響について考えてもらおうと企画。約25人が参加した。

 ゴルフ場は全国でゴルフ場運営などを手掛けるユニマットプレシャス(東京)が昨年10月に建設計画を発表。前勢岳の北側に所有する約99万平方メートルの土地を活用するほか、一部市有地の賃貸を想定している。
 一方、アンパルの自然を守る会はゴルフ場が名蔵アンパルと前勢岳の間に整備されることから、名蔵アンパルの重要な水源が壊れることを懸念している。
 沢登りは稲田地帯を進み下流付近に到着。参加者は植物や水流の様子などを観察しながら約2時間かけて上流まで登り切り、沢登りを楽しんだ。
 初めてウガドゥカーラの沢を登るという八重山高校2年で生物部に所属する屋比久大翔さん(16)は「水流も安定し植物も多様。上流の生物を確認したい」と目を輝かせていた。
 同会の山崎雅毅事務局長は「計画通りだと下流が埋められ、水系を遮断する恐れがあり、アンパルへの影響も懸念される」と話し、多くの人が関心を寄せることを期待した。