40年前にハワイで行われたエイサー指導の縁がつながり、ハワイのパーランクー団体に10日、エイサーの衣装やパーランクーが贈られた。那覇市内で行われた贈呈式で、衣装を託されたハワイ沖縄連合会の山本トム健会長は「団体のメンバーも誇りに思うはずだ」と感謝した。
寄贈したのは、うるま市の松本盛祥さん(69)、盛俊さん(67)ら兄弟。浜比嘉島出身の父・常祥さん(享年88)は長年、地元エイサーの地謡を務め、演舞も指導したことから、1976年にハワイで県人会メンバーらにパーランクーエイサーを教え、その後も数度ハワイに渡り、指導を行っていたという。
常祥さんは昨年11月に亡くなったが、晩年、新調した衣装をハワイに贈る準備を進めていたといい、葬儀後の整理で自宅から打ち掛けや脚半など13着分が衣装ケースに準備されているのを家族が見つけた。
常祥さんが指導したハワイパーランクークラブのメンバーが今年4月、焼香のために浜比嘉島の松本さん宅を訪ねたことから、衣装を贈る話が持ち上がり、沖縄ハワイ協会の仲立ちで、高校生交流プログラムのために来沖中の山本会長に託されることになった。
衣装とパーランクーを受け取った山本会長は「素晴らしい衣装をしっかりと届ける。着て演舞するメンバーは(常祥さんのことを)思って一緒に踊っている気持ちになるだろう」と話した。父の思いを託した長男の盛祥さんは「指導から何十年もたち、そう思って踊ってもらえるとしたらうれしい」と喜んだ。