島尻氏、伊波氏、辺野古問題で違い鮮明 参院選立候補予定者座談会


この記事を書いた人 志良堂 仁
座談会で参院選での健闘を誓い、握手する島尻安伊子氏(右)と伊波洋一氏=20日午前9時ごろ、那覇市天久の琉球新報社

 22日公示、7月10日投開票の参院選に向け、琉球新報社は20日、沖縄選挙区(改選議席1)に立候補を予定している自民現職で沖縄担当相の島尻安伊子氏(51)=公明推薦=と無所属新人で元宜野湾市長の伊波洋一氏(64)を那覇市の本社に招き、政策や政治姿勢について聞いた。米軍普天間飛行場の辺野古移設問題や消費増税などで主張の違いが鮮明になったほか、経済振興などでも手法の違いが見られた。日米地位協定では双方が抜本的改定を要求。子どもの貧困対策でも両氏が力を入れる考えを示した。

 辺野古移設問題に関して、島尻氏は「県外移設を撤回するのは苦渋の選択だったが、普天間の固定化を避けるということでやってきた」として移設を認める考えを示した。伊波氏は「解決は国外、県外への移転を通して閉鎖することだ。県内移設では負担軽減にはならない」と反対し、双方で主張が分かれた。米軍属女性暴行殺人事件も踏まえた日米地位協定の見直しについては、両氏が抜本的な改定を求めた。

 消費増税について、島尻氏は経済政策を優先し引き上げ時期を先送りした政府判断を支持した一方、伊波氏は引き上げそのものに反対し、行財政改革に沿った対策を訴えた。

 経済振興に関する質問では、島尻氏が「沖縄はかつてない良い景況感に包まれている。このうねりを腰折れさせず進めていく」と語り、大企業の下請け取引対策や経営相談の支援、ITの利活用の促進などを掲げた。

 伊波氏は観光客の増加傾向に触れ、「アジアの経済成長の風も受け、全国にも例のない伸びだ」と強調し、観光インフラ整備のほか、農林水産業振興などに取り組む構えを見せた。

 子どもの貧困問題では、島尻氏が地元自治体や地域の団体などさまざまな連携による対策強化を訴え、伊波氏は子ども食堂や就学援助などを通じた支援強化が必要だと指摘した。