「やんばる国立公園」が決定 北部訓練場は除外、世界遺産へ弾み


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【東京】環境省は20日、本島北部の国頭、東、大宜味3村にまたがる陸域と海域約1万6300ヘクタールを「やんばる国立公園」に指定することを決定した。同日の中央環境審議会の答申を受け決めた。今後は自治体と協議し、土地利用基本計画の変更などを経て、8月以降に官報に公示する。国立公園の指定は全国33番目で、完全な新規指定は2014年の慶良間諸島以来。一方、指定地域に米軍北部訓練場は含まれていない。

 国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がり、固有動植物や希少動植物が生息し、多様な生態系が複合的に一体となった景観が特徴。10年度に実施された国立・国定公園総点検事業で「わが国を代表する傑出した地域である」などと評価されていた。政府は指定地域を含む「奄美・琉球」について、世界自然遺産登録を目指す考えで、国立公園化によって開発を規制し、環境を守る体制を強める。