【電子号外】英投票、EU離脱へ 支持派が勝利 円急騰、株1000円超安


この記事を書いた人 金城 美智子
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 【ロンドン共同=島崎淳】英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票は24日、開票が進み、英BBCなど複数の主要メディアは離脱支持派が勝利したと報じた。EU域内からの移民流入、EUの権限拡大、非効率性への反発などが背景にある。英経済への打撃と内政の混乱は必至。東京円は一時1ドル=100円を突破し急騰。日経平均株価が一時1000円超下落した。日本を含む世界経済にも大きな影響が出ている。

 1993年の正式発足以来、拡大を続けてきたEUから加盟国が離脱するのは初めて。国内総生産(GDP)規模で世界第5位で、ドイツ、フランスと並ぶ欧州の主要国として政治的にも発言力が大きい英国の離脱はEUの存在感を弱める可能性がある。
 キャメロン首相率いる与党保守党は賛否を巡って割れ、国民を二分する激しい論戦を展開。残留派はEU離脱で経済が悪影響を受けると訴えていた。残留を訴えたキャメロン氏降ろしや早期総選挙要求が表面化する可能性がある。英政府は今後、EU基本条約に基づき、EU首脳会議に離脱手続きに入ることを通告。離脱条件などの協定を結ぶ必要があり、実際の離脱は数年先になりそうだ。
 キャメロン氏は昨年の総選挙で国民投票を公約して勝利。EU首脳会議は2月、英国が求めた自国への域内移民抑制策などの改革案で合意後、投票日を発表した。
 離脱、残留両派の支持は拮抗(きっこう)、激しい運動が続いたが、残留派のジョー・コックス下院議員が英中部で地元の男に殺害され、運動は一時中止された。