EU離脱 「孤立」「良かった」 県内の英国出身者ら、懸念と喜び


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 英国の国民投票でEU離脱派が勝利したことを受け、県内に住む英国出身者から「欧州から孤立するのではないか」と懸念の声が上がる一方、「欧州の多様性を守るため離脱の選択は良かった」と評価する声も上がった。EU出身者からは「欧州では極右勢力が台頭しており、英国の決断が欧州全体に影響を及ぼすのでは」と懸念の声も上がった。

 英国出身で、英会話講師をしているジョン・バーナードさん(42)=北谷町=は「非常に残念だ」と落胆。「若者は『欧州人』としての自覚も強い。離脱に伴い英国が孤立し、これまで国民に広く開かれていた欧州諸国内での教育や雇用の機会が奪われるのでは」と話した。

 一方、同じく英国出身のジョン・デイビスさん(68)=南城市=は「良かった」と結果を喜んだ。「民主主義は人が多過ぎると機能しない。国同士で戦うためではなく、欧州のさまざまな言語や文化の違いなどを守るためにEUを離れた方がいい」と話した。

 フランス語教室の代表を務めるジスラン・ムートンさん(31)=那覇市=は「オーストリアやフランスなど、欧州の他の国々では極右政党が台頭している。英国での離脱派勝利の結果が、今後、欧州社会全体に与える影響は大きいだろう」と指摘した。

 英国に11年住んでいたイタリア出身のフランチェスカ・チェルレッティさん(51)=那覇市=は「ショックだ。英国が離脱すれば、経済的・社会的に傷つく人が多くいるだろう」と語った。