翁長さん最高賞 現代美術の新象展


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翁長洋子さん

 現代美術の公募団体「新象作家協会」による公募展、第59回新象展(6月1~9日・東京都美術館)で翁長(横沢)洋子さん=宜野湾市=が最高賞の展賞を受賞した。昨年の安田淳夫さんに続き、県内から2年連続受賞の快挙となった。

 翁長さんは県立芸術大の講師。本格的な公募展への出品は初めてで、「入選が目標だった。展賞を頂くなんて驚いた」と喜ぶ。受賞作品「THE AIR I」は、デジタル版画の技法を用いて制作された。サイズは縦103センチ、横183センチ。イラストボードに墨を流して製作した原版をパソコンに取り込み、画像処理ソフトで反転や版を重ねるなど加工を施した。

 透明感が特徴の作品だ。AIR(空気)の躍動感や流れを可視化するというテーマに挑み、「額の中だけでなく外の空気との調和、『AIRの共有』を意識した」。専門はプロダクトデザインで絵画とは異なるジャンルだが、「学校などで分類される分野は違っても、デザイン表現は一つだと思っている。今回それを認めてもらえたようで自信になった」と言う。

 新象展には全国から213点の出品があり、県内からは翁長さんの他にも奨励賞に與那嶺芳恵さん、佳作賞に仲宗根市子さんと北山千雅子さんが名を連ね、スポンサー賞のホルベイン画材賞に池原菊江さんが選ばれた。