奄美の採石地、全6地点に外来グモ 那覇空港第2滑走路建設


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 那覇空港の第2滑走路建設のための埋め立て石材を採取する奄美大島の採石場周辺で特定外来生物のハイイロゴケグモが土砂条例に基づく県調査で見つかった件で、この調査では、実施した6地点全てでハイイロゴケグモが確認されていたことが25日までに分かった。沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが情報公開請求で県から入手した調査報告書に記されていた。

 沖縄総合事務局は3月30日に石材を現場海域に投入した。北上田さんは、特定外来生物が高い頻度で確認された際の対策を見直し、移入阻止のための措置を設けるなど、県条例を見直す必要があると指摘している。

 報告書によると、県の委託業者は3月1日から4日にかけ、奄美大島に所在する採石場や用材の仮置き場を調査した。

 北上田さんは「わずかな調査期間や目視での確認手法など実効性から言って懐疑的な点が多数ある」と指摘した上で、辺野古新基地建設で県外から1700万立方メートルに及ぶ土砂搬入が予定されていることに触れ「特定外来生物が見つかった際には搬入の中止など、県は実効性のある土砂条例へと改定すべきだ」との見解を示した。

 日本自然保護協会の安部真理子さんは「やんばるなどの世界自然遺産登録を目指す中で、県や国は固有の生態系を脅かす外来種の取り扱いについてより慎重になるべきだ」と指摘した。