“ヤマネコ”縁で友好都市に 竹富町、対馬市と協定


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友好都市協定を締結した竹富町の川満栄長町長(右)と対馬市(長崎県)の比田勝尚喜市長(左)、立会人を務めた環境省の亀澤玲治自然環境局長=7日、環境省

 【東京】西表島の固有種・イリオモテヤマネコが生息する竹富町と対馬の固有種・ツシマヤマネコが生息する対馬市(長崎県)は7日、環境省で友好都市協定を締結した。協定の締結により両自治体は子どもたちの交流事業を実施し、人とヤマネコが共生できる環境づくりに取り組む。

 友好都市締結は両自治体が2015年10月にイリオモテヤマネコとツシマヤマネコの保護の重要性を発信した「ヤマネコ愛!ランド」共同宣言を出したことがきっかけ。締結式は環境省の亀澤玲治自然環境局長が立会人となり、対馬のヒノキを使った協定書に首長らが署名した。締結式で竹富町の川満栄長町長は「対馬市、環境省、竹富町がスクラムを組んで人とヤマネコが共生できる環境を次世代に引き継ぎたい」と述べた。

 対馬市の比田勝尚喜市長は「友好都市協定の締結はむしろ遅いぐらいの協定ではなかったかと思っている。今まで交流がなかった分を取り戻すようなスピード感を持って交流事業を展開したい」と述べた。

 国内に野生のヤマネコはこの2種だけで、2種ともに個体数は100匹前後と推定、国の絶滅危惧種に指定されている。締結を受け、両自治体は本年度から子どもたちの交流事業を実施する考えで、今年は25日から対馬市の佐須奈小の5年生11人が西表島を訪れる。10月に対馬市で開かれる厳原港まつりには、竹富町が参加し、民俗芸能を披露する。