在日米軍FB投稿 「特権」無視・不正確な内容


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 「不平等」との批判がやまない日米地位協定について、在日米軍が「免責」を与えたことはないとフェイスブックで主張した。だが公務中の事件・事故のほとんどは刑事責任が免責されてきたのが実態だ。刑事処分とは別に与えられる懲戒処分などの行政処分について詳細が日本側に伝えられることはほとんどない。「被害補償」も日本側が肩代わりしている。

 地位協定を巡っては、公務外の犯罪に関しても、起訴前の身柄引き渡しの拒否権を米側が持っていたり、米側の合意なしに日本の警察が基地内を捜査できなかったりと、さまざまな「特権」も含めて批判されてきた。投稿は、これらの問題点に全く触れていない。在日米軍は6月23日にも「今週の事実」と題し、在日米軍専用施設が沖縄に集中する割合について、政府や県も公式に用いる面積に基づく「74%」ではなく、唐突に施設数に基づいた「39%」を主張し、「開いた口がふさがらない」(翁長雄志知事)などと冷笑を買った。

 辺野古新基地建設問題や米軍属女性暴行殺人などを背景に、沖縄の過重な基地負担の解消を求める声が高まり、米軍の“焦り”がうかがえる。だが負担軽減を求める声に真剣に向き合わず、問題を矮小(わいしょう)化する狙いばかりが透け、県民との摩擦を自ら招く事態となっている。(島袋良太)