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浦添埋め立て争点に 軍港移設、候補者も賛否<沖縄県議選2024>


浦添埋め立て争点に 軍港移設、候補者も賛否<沖縄県議選2024> 軍港移設が計画されている浦添西海岸。自然観察会に参加する子どもたちの姿も=浦添市港川(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の移設が計画されている浦添市の西海岸=写真。健全度の高いサンゴ礁が広がるが、那覇軍港の西海岸移設は県議選の争点の一つとなっている。

 軍港移設をめぐっては、23年に「T字型」の軍港代替施設を設置する形状案で日米が合意している。

 県議選の立候補者の間でも賛否が分かれている。賛成の候補者は、キャンプ・キンザー返還後の跡地利用と連動した開発による経済振興に期待する。一方、反対の候補者は、自然海岸の保全を求めるほか移設による基地機能強化や負担増を懸念する。

 地元港川に住む銘苅全郎さん(81)は、自治会会長時代から生き物観察会などを通じ、浦添西海岸の保全を訴えてきた。軍港移設について「那覇と浦添、県民同士で押し付け合う構図になっている」と嘆息する。

 西海岸をめぐっては、民港部分の埋め立てに向けた環境影響評価(アセスメント)の手続きが始まった。環境アセスが軍港部分を含まないため、市民団体や専門家は「環境への影響が分かりにくい」と指摘し、今後始まる軍港部分のアセスを注視する。

 埋め立てに反対し計画の再検討を求めるオンライン署名は5万筆を超えた。美ら海を未来に残したいうちなーんちゅの会の大山盛嗣共同代表は「軍港ができればどうなるか想像してもらいたい」と話した。

 (藤村謙吾、慶田城七瀬)