子の貧困追記 沖縄県、21世紀ビジョンに


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 沖縄県が初めて自ら策定した沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の10年間の計画年度の折り返しとなる5年目を迎え、県は「子どもの貧困」対策や人材育成のための高等教育機会の創出などを盛り込むなど後期に向けて計画を改定することを決めた。1日に県庁で開いた県振興推進委員会(委員長・翁長雄志知事)で方針を決定した。21世紀ビジョンの改定は初めて。政府との協議機関、沖縄振興審議会の答申を経た上で来年4月ごろの改定を目指す。

 各種調査から沖縄特有の子どもの貧困が浮き彫りになってきていることから「教育・保育の提供」「子どもの居場所の設置」「保護者への就労支援」などを盛り込む方針だ。そのほかアジアの活力を取り込む戦略的な施策の推進も掲げている。

 人材育成の観点では「これまでの施策等では十分な対応ができていない『基盤人材』の育成・排出が必要だ」として、既存大学内への学部新設や県外大学のサテライト校設置など高等教育機会の創出を盛り込むことも検討する。

 県は「離島住民の移動にかかる負担軽減やひとり親家庭の就職支援など幅広い分野で成果指標に掲げた目標を達成している」と総括した上で、「社会情勢等の変化により新たな課題が明らかになっていることから、後期期間に取り組んでいく必要がある」として改定を決めた。

 県は1972年の復帰以降、国が策定した3次30年にわたる沖縄振興開発計画とその後の沖縄振興計画を基に、社会資本整備などが進められてきた。復帰40年を迎える2012年に初めて県自ら振興計画「21世紀ビジョン基本計画」を策定した。