「ライフ☆カフェ」オープン 障がい者、働く楽しさ実感


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少し緊張しながらもカレーセットを運ぶ平安山夏姫さん(右)=名護市東江の「ライフ☆カフェ」

 【名護】働く経験を通して障がいのある人の就労を支援するカフェ「ライフ☆カフェ」がこのほど、名護市東江にオープンした。自立訓練事業や就労移行支援事業を行うNPO法人ジャンプ(名護市)とヨシモトコーヒー(沖縄市)が提携して運営するカフェで、企業のノウハウを活用して本格的に収益確保にも力を入れながら、新しい形で障がい者を支援している。

 コーヒーなどの飲み物はもちろん、4月から商品開発を始めていたカレーセットやホットサンドセットなど食事の充実も図っている。タイカレー、トマトカレー、ホウレン草カレー、コーヒーカレーの4種類から週替わりで2種類を提供する。店内は明るく落ち着いた雰囲気だ。建物はヨシモトコーヒーが所有しているものを提供した。

 ジャンプが運営する社会生活訓練校を経た仲地桃花さん、平安山夏姫さん、玉城佳弥さん、峯苫愛華さんの20歳の4人が接客やキッチンの手伝いを行う。この日皿洗いを担当した玉城さんは「働いているという実感があって楽しかった」と満足した表情を見せた。接客を担当した平安山さんは「緊張した。『おいしかった』って言ってもらいうれしかった」と笑う。ジャンプの石垣育子理事長は仕事を終えた4人に目をやり「笑顔も多く生き生きしていた。『お客さんのために』という目的がしっかりしていたと思う」と話した。

 ジャンプとヨシモトコーヒーをつなぎ合わせてカフェ実現のきっかけをつくった、障がい者雇用を支援するトータルサポート商会の翁長克代表は「カフェにさまざまな企業の人が来てくれることで、障がい者への理解の場にもなれる。きちんと利益を上げサービスの質を高めることで認知度も上がり息の長い支援ができる」と、障がい者雇用の促進に期待した。

 ヨシモトコーヒーの吉本幸司営業部長は「障がいがある人たちが働くために、環境を整えられるよう協力したい」と意欲を述べた。