沖縄の最低賃金714円に 時給、現行方式で最大の21円上げ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 沖縄県内の最低賃金を決める沖縄地方最低賃金審議会(宮国英男会長)は4日、2016年度の時給を21円引き上げて714円とすることを待鳥浩二沖縄労働局長に答申した。02年度に現在の時給で示す方式になって以降、引き上げ幅は最大となり初めて700円を超えた。19日までの異議申立期間を経て9月1日に官報公示する予定で、早ければ10月1日に発効する。

 これまで労働者側と使用者側、弁護士や大学教員ら有識者でつくる公益側で、6回にわたる審議会の専門部会で協議してきた。4日の最終会合まで労使が額に合意できなかった。労働者側は22~27円の引き上げを主張し、使用者側は6~20円を提示していた。4日の専門部会後の審議会で公益側が、中央最低賃金審議会の小委員会が示していた沖縄の目安21円を提示し、多数決で決定した。

 労働者側委員で連合沖縄の高良恵一事務局長は「非正規労働者の処遇改善ができるほか、昨年より早い10月1日に発効することは一定程度評価できる」と話した。使用者側委員で県中小企業団体中央会の上里芳弘専務理事は「最低賃金で職員を採用している中小企業は大変な打撃だ」と述べた。