「事業継続計画」策定企業は12% 沖縄県内の災害対策


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 帝国データバンク沖縄支店は5日、企業が自然災害などの緊急事態に遭った際にも事業が継続できるよう対応措置を決めておく「事業継続計画」(BCP)の策定に関する意識調査結果を初めてまとめた。県内でBCPを策定した企業は12・3%だった。全国でBCPを策定している企業は15・5%で同様の傾向が示され、企業の災害時対策が進んでいない実態が分かった。

 調査は帝国データバンクが6月17~30日、県内173社を対象に実施し、57社から回答を得た。回答率は32・9%。

 調査によると、BCPを現在策定中だったのは3・5%、策定を検討しているのは26・3%だった。既に策定した企業と合わせても4割程度にとどまった。

 業種別では小売りで全てが策定していたが、サービスは26・7%、製造は16・7%だった。建設や不動産、卸売りは0で、業界ごとの違いが出た。

 代表者が不在となった場合、代わりを務める人材がいる企業は59・6%だった。従業員数301人~千人の企業全てがいるとした一方、5人以下の企業は55・6%にとどまった。

 現預金の保有残高は売り上げの3カ月分以上が19・3%、1~3カ月分が19・3%。1週間~1カ月が10・5%、1週間分未満が7・0%、ほとんど保有していないが24・6%だった。

 災害時には収入減や決済などのため、売り上げの1カ月分以上の現預金保有が目安とされ、緊急時の資金が不足する可能性がある。

 帝国データバンクは「従業員の少ない企業でノウハウ不足や時間、コストの負担が大きいことから、BCPを策定していない企業が多い。BCPと共に、災害復旧や事業再開時の資金不足もあらかじめ想定する必要がある」とした。