N1裏ゲート監視、映像拡散で運動拡大 市民排除に反発


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 【ヘリパッド取材班】名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場ヘリパッド建設で抗議行動を長年続ける市民らから「N1裏」の泊まり込みによる監視行動で、「初めて参加する人たちが増えている」という声が多く上がっている。参加者によると、理由の一つにヘリパッド工事が再開された「7月22日」の様子がフェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)で広く拡散されたことが挙げられている。

 車の上で抗議する市民を無理矢理引きずり下ろす。座り込む住民らをごぼう抜きする。沖縄防衛局がN1地区ゲート前に市民らが設置したテントなどを撤去した際、機動隊員が市民らに行った排除の様子などだ。インターネットや動画を実況配信できるサイト「ツイキャス」を通じて、法的根拠を伴わず、必要な手続きを経ずに行われたとの指摘もある工事強行が世界に発信された。そうした映像が衝撃とともに拡散され、参加者の広がりにつながる一因となった。

 知人のフェイスブックで「7月22日」の状況を知り、内山亮さん(37)は、はるばるインドから高江を訪れた。東京在住だが半年前から楽器シタールを習うためインドを訪れていた。「大変な事態だと思った。少しでも役に立てればと思って」。6日から泊まり込みの2日間。「体力も気力もくたくた。ずっと運動を続けている人は本当にすごい」と感嘆した。

 多くのプロモーションビデオを手掛けた映像作家の丹下紘希さん(48)=京都=は「居ても立ってもいられなくなった」。現在はアニメーション「戦争のつくり方」などを制作した映像作家らの団体「NOddIN」で活躍する。「『沖縄のため』というのが平和の最前線だと思う。何ができるか分からないが、まずは一度ここに立って考えたかった」と話した。

 「平和な地域でこんなひどいことが行われるなんて信じられなかった」。シールズ東海の岡歩美さん(25)は声を震わせる。「市民が動けば、社会を変えられると教えてくれたのは沖縄の皆さんだ。共に闘いたい」と力を込めた。