那覇空港に農産加工施設 政府、輸出拠点化目指す


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 政府は、那覇空港を国産農産物の輸出拠点化することを目指し、空港近隣に農産物の冷蔵・冷凍倉庫や加工施設の整備を検討している。国内各地の農産物や食品を沖縄に集め、那覇空港の国際物流ハブを生かして輸出することで物流コストの低減を図る。集まった農産物を加工することで高付加価値化を進める。国産農産物の輸出力強化につなげる狙いだ。

 政府が今年5月に取りまとめた「農林水産業の輸出力強化戦略」に盛り込まれた。同戦略では那覇空港から半径2千キロ以内にアジアの主要都市が集まっていることや、効率のいい物流ネットワークが既に構築され、24時間365日体制のCIQ(税関・入国管理・検疫)も措置されていること、2020年3月の共用開始を目指して第2滑走路の整備が進んでいるといった利点を列挙している。

 戦略では「関係省庁と調整を図りつつ、那覇空港の農産物の輸出拠点化に向け検討する」とした。

 冷蔵、加工用の施設は国際物流拠点産業集積地域の老朽化した既存建物を改修し充てることを検討する。那覇空港のターミナル地域再編事業に伴い、格安航空会社(LCC)施設の移設による貨物エリアの拡大、駐機スポットの増設も予定している。

 将来的には沖縄に食品関連の工場を集積し、機内食や介護食、各種総菜や弁当といった食分野の宅配基地化も視野に入れる。