FC琉球、初戦辛勝 天皇杯サッカー


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後半45分 試合を決めるシュートを放つ田中恵太=27日、県総合運動公園陸上競技場(屋嘉部長将撮影)

 サッカーの第96回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)は27日全国各地で開幕、県代表のFC琉球は県総合運動公園陸上競技場でホンダロックSC(宮崎)と対戦し1-0で勝利した。2回戦の相手はJ1のサガン鳥栖(佐賀)で9月3日、佐賀県のベストアメニティースタジアムで対戦する。J2の町田が神奈川大(神奈川)に0-1で、岐阜がホンダFC(静岡)に1-2で敗れる波乱があった。札幌が筑波大(茨城)に快勝したほか徳島、水戸、岡山、山口、東京V、愛媛などのJ2勢は2回戦に進んだ。J3勢は長野(長野)、大分(大分)などが順当勝ちした。大会にはJリーグや大学、アマチュアの88チームが出場。決勝は来年1月1日、大阪・市立吹田スタジアムで開催される。

▽1回戦
琉球(沖縄)
 1―0(0―0,1―0)
ホンダロック(宮崎)
▽得点者【琉】田中

 【評】FC琉球が終了間際に決勝点をつかんで辛勝した。前半は運動量で上回るホンダロックSCにゴールを脅かされた。琉球はサイドからの突破で得点を狙ったが、ホンダロックSCの厚い守備の前にゴールを奪えなかった。後半も互いに好機を生かせない時間が続いたが、琉球は45分に富樫からパスを受けた田中がネットを揺らして試合を決めた。(平安太一)

◆田中、終了間際の決勝弾

 ペナルティーエリア付近でボールを受けた富樫佑太が、相手守備の裏に抜け出した田中恵太にパスをつないだ。時間は後半45分、試合終了まであとわずかだった。「最後はオレが決めようと思っていた」と言う田中が左足を振り抜くと、歓声に包まれたピッチでゴールネットが揺れた。1点差でつかんだ白星に、田中は「勝てて良かった」と汗をぬぐった。

 豊富な運動量と強固な守備を誇るホンダロックSCの前に、前半から苦戦を強いられた。積極的にボールへ食らいついてくる相手の勢いに押され、サイドを使った素早い攻撃を受けて何度もピンチを迎えた。琉球も連携を深めながら攻め込んだが、ゴール前を固める相手守備を崩せず、金鍾成監督は「攻撃が単調になっていた」と指摘する。

 指揮官が「1点勝負になる」とにらんだ後半、途中出場の富樫が流れを呼んだ。約3カ月ぶりにけがから復帰した富樫は「ゴールに向かうプレーが必要だと思った」との言葉通り、攻撃に絡み続けた。最後は決勝点につながるアシストを決め、「感触はぴったりだった」とうなずく。

 次戦はJ1のサガン鳥栖との対戦が控えている。田中は「鳥栖に勝つことがターゲットだった」と表情を引き締め、「(試合に)照準を合わせていい準備をする」と誓った。(平安太一)

◇集中してゲーム
 金鍾成監督(FC琉球)の話 いつも通り先に点を取って主導権を握りたかったけど、攻撃の形がつくりきれていなかった。後半は1点勝負になる中で集中してゲームができた。(次戦の)鳥栖は守備が堅くて攻撃のバリエーションも豊富だ。我慢しながら思い切りやりたい。