沖縄ガスパワー 電源調達 パーム社と契約、来月参入


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パームロイヤルが2014年に建設した大規模太陽光発電所「パームロイヤル糸満第一発電所」=糸満市新垣

 沖縄ガスと新電力大手のイーレックスとの合弁会社・沖縄ガスニューパワー(湧川直明社長)は1日までに、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を糸満市に保有するパームロイヤルと電源調達に関する契約を結んだ。沖縄ガスニューパワーは10月から県内ホテルなど法人向けに沖縄電力より数%安い価格で電力を供給する。電力小売りが全面自由化された4月以降、地元企業が県内の小売り事業に参入するのは初。

 パームロイヤルが所有する「パームロイヤル糸満第一発電所」の年間発電量は一般家庭約450世帯分に相当する1650キロワット時。パームロイヤルは2014年3月から、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)を通じて沖縄電力に全量売電してきたが、今回の契約により、今後は売電先を沖縄ガスニューパワーに切り替える。パームロイヤルが運営するホテルの電力購入先も沖縄ガスニューパワーに切り替え、電気料金の低減化を図る考え。

 沖縄ガスニューパワーは8月に県内企業では初となる小売電気事業者に登録された。10月1日からホテルパームロイヤルNAHAを含むホテルや小規模病院、事業所向けに電力を供給する。沖縄ガスニューパワーは沖縄電力より高く買い取るが、利益を最小限として安く供給する。沖縄ガスニューパワーは数年内に自前の発電所建設も視野に電源調達を進めており、今後も電力の供給先を拡大していく考え。

 ホテルパームロイヤルNAHAの高倉直久総支配人は「人にも環境にも優しい企業を目指している。地元企業の沖縄ガスニューパワーと組むことで、地域に根差した企業を目指す」と話した。

 電力の小売り全面自由化を巡っては、国内大手総合商社の伊藤忠商事(東京)が、うるま市の電源開発(Jパワー)から電力を調達し、かりゆしグループや金秀グループなど法人向けに電力を供給している。