南部工、終盤に逆転 県秋季高校野球第1日


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 第66回県高校野球秋季大会は10日に開幕し、沖縄セルラースタジアム那覇などで開会式と1回戦4試合を行った。開会式では前大会優勝の八重山が優勝旗を返還した後、選手を代表して名護商工の高良玲旺主将が「家族や地域の方々、先生、仲間への感謝の気持ちを忘れず、白球に思いを込め、最後まで全力プレーすることを誓う」と宣誓した。大会には計61チームが出場している。決勝は10月8日予定。上位2チームは来春の選抜大会出場への参考資料となる第139回九州地区高校野球大会(10月22~27日・大分)に派遣される。

◆耐えて好機捉える 南部工業

南部工―具志川商 8回南部工2死二、三塁 2点適時打を放つ田場篤=10日、沖縄セルラースタジアム那覇

 ダメ押しの2点適時打を放ったのは、この試合無安打に打ち取られていた4番の1年、田場篤だった。外角低めの直球に「本来は手を出しちゃいけない球だけど、打つ気持ちが高ぶっていた体が反応した」と伸ばした左手一本で右前にしっかりと運んだ。1番玉木翔太と2番新垣雄規が生還して3点差。好機を逃さず、精神的にも「決定打」となる追加点で、具志川商を振り切った。

 序盤は我慢の展開だった。具志川商の先発宮城力の緩急を付けた投球に三者凡退が続き、四回には先制点を奪われた。打線はサインミスに加え、今夏特に力を入れたバント練習の成果が生かせず好機を取りこぼした。それでも、エース和仁屋樹がスリークオーターから繰り出す手元で動く変化球で具志川商打線を打ち取り、反撃を待った。

 主導権は守備の好プレーでつかみ取った。六回表、三塁手の大城大地が三飛からの二塁併殺で具志川商の勢いをくじくと、七回裏にはその大城の適時打で同点。八回には敵失で出塁した8番請舛龍哉が連続した敵失を逃さず生還し、田場の決定打につながる勢いをつくった。

 終盤まで苦しい展開だった初戦突破に親川聖監督は「練習したバントが決まっていれば早い段階で逆転できた」とすっきりしない様子。「ただ、今日は和仁屋がしっかり踏ん張ってくれた」と評価し、次戦へ気を引き締めた。
(嘉陽拓也)

※注:高良玲旺主将の「高」は旧字体

◇きのうの結果

▽1回戦
南部工 4-1 具志川商
北中城 4-1 久米島
名護 9-1 那覇国際
 (七回コールド)
豊見城南 2-1 球陽

◇きょうの試合

▽1回戦
【セルスタ】9時
沖縄工-宮古総実
真和志-未来沖縄
知念-向陽

【コザしん】9時
前原-普天間
宜野座-那覇西
具志川-那覇

【北谷】9時
開邦-首里東
北谷-読谷
西原-興南