国有林伐採、新ルートか 県提出書類に示されず


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 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場で新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)が建設されている問題で、沖縄防衛局が県に提出した「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業(仮称)環境影響評価検討図書」に示されていない国有林が伐採されていることが15日、分かった。本紙が入手した写真で明らかになった。伐採されていた場所はN1地区から通称「N1裏」に続くルートの中間付近から、検討図書に示されたN1地区からH地区に向けた工事用モノレール敷設ルート付近まで及んでいた。新たな伐採の事実関係について、15日午後9時現在、沖縄防衛局からの回答はない。

 7月に提出された検討図書には、資機材の運搬用として全長1・2キロにも及ぶ工事用モノレールのルート図が示されている。だが、今回確認されたルートは検討図書に記載されていない。関係者によると、伐採が確認されたルートの距離は約200メートルで、広い所では約4メートルの幅があった。

 沖縄平和運動センターの山城博治議長は、伐採が確認されたルートを含め、検討図書に示された工事用モノレールの敷設ルートがモノレールではなく、大型工事車両の進入路になるのではとの見方を示した上で、「だまし討ちのような工事だ。見えない部分だから何をしてもいいと思っているのだろう」と話した。

無残に伐採された木々。市民によると「北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業(仮称)環境影響評価検討図書」に示されていないという=米軍北部訓練場内