糖度上昇 早いキビ開発 “RK97―14” 県、18年度から配布


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サトウキビの新品種「RK97―14」(右)と、従来品種の「農林8号」(県糖業農産課提供)

 県農林水産部は、茎の成長や糖度の上昇が早い特徴を持つサトウキビの新品種「RK97―14」を開発したと15日までに発表した。これまでは土壌の特性や耐風性に応じ、栽培に適した品種が地域ごとに違ったが、新品種は県内全地域で多量の収穫が見込める。サトウキビの生産量が伸び悩む中、安定した収量が見込める新品種は「サトウキビのエースになる」(農水部)との期待が高まっている。今後2年かけて苗の増殖を進める。農家への苗配布は2018年度から本格化する見通しだ。

 新品種は大きく育つ特徴があるサトウキビの台湾品種「F172」と、F172に比べ糖度が高い県育成品種「RF79―247」を人工交配してできた。

 新品種「RK97―14」は生育初期から茎の伸びが良く、早い時期から糖度が上昇する。茎が長く太くなるため、重量が大きくなる特徴がある。

 県農業研究センターが県内8カ所で行った栽培試験では、生産可能な砂糖の量が現在各地で栽培されている主要品目に比べて7~79%多い(3作型平均)傾向を見せた。新品種の普及は農家の所得向上につながりそうだ。

 製糖工場の安定操業には、収穫時期がより早い別品種の育成も必要なため、サトウキビ全ては置き換えられない。県の島尻勝広農水部長は「各製糖工場の意向も取り入れ、バランスを取りながら普及を進めたい」と語った。