ベトナムにラケットを 山口大バドミントン部・金城さん協力訴え


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枯れ葉剤の影響が残るベトナムの障がい者向けにバドミントンの普及を目指す金城あさひさん

 【沖縄】沖縄市越来出身で、山口大学体育会バドミントン部に所属する金城あさひさん(21)が、障がいのあるベトナムの子どもたちにバドミントンラケットを贈るための資金を集めている。ベトナムに関心を持ったきっかけは、沖縄市サッカー場から掘り出されたドラム缶から、ベトナムで使われた枯れ葉剤と同じ成分が発見されたことだった。「ベトナムでは枯れ葉剤の影響で3世代にわたり被害が及んでいる。自分にできることをやりたい」と決意をにじませる。

 金城さんはコザ高校時代にインターハイに毎年出場した実力者。7月にベトナムの障がい者向けにバドミントンを普及させようと部内で慈善団体「パラバド山大」を立ち上げ、自身が代表に就任した。来年9月からハノイの障がい者スポーツクラブでの指導を目的に留学し、その際に現地へラケットを寄贈する予定だ。

 金城さんによると、ベトナムの平均月収は2万5千円ほど。日本製ラケットは高額で、容易に購入はできないという。寄付集めに向けては、12月に山口県内でもチャリティー大会を開く。日本障がい者バドミントン連盟も活動に賛同し、バドミントンのシャトルを金城さんの留学に合わせて現地に寄贈するという。

 「誰でも同じように楽しめるのがスポーツの魅力だ」と笑顔を見せる金城さん。障がい者バドミントンは2020年の東京パラリンピックから正式種目になることにも触れ「障がい者の人たちの選択肢を増やしたい。ぜひ沖縄の方たちにも協力してほしい」と呼び掛ける。枯れ葉剤や土壌汚染に対する関心も持ってほしいと願っている。

 問い合わせはフェイスブック、ツイッターのアカウント「パラバド山大」。ゆうちょ銀行の振込口座の名義は金城あさひ、口座番号は01380―3―92105。