国内プロバスケットボールリーグの最高峰「Bリーグ」の開幕第2戦が23日、東京都の国立代々木競技場第一体育館で行われ、琉球ゴールデンキングスは53-74でアルバルク東京(A東京)に大敗した。第1クオーター(Q)、キングスのシュートはことごとくリングにはじかれて、開始から7分以上無得点。金城茂之の得点などで第2Qにつなぎ、リズムをつかみかけたが、A東京が要所で得点して17-32と大きくリードされて前半を終えた。第3Qは金城や岸本隆一の得点で点差を詰めたものの、第4Q開始直後にミスから連続失点して突き放された。キングスは10月1、2の両日、沖縄市体育館で滋賀レイクスターズとホーム開幕戦を行う。(観客9461人)
A東京(2勝)
74―53(16―4,16―13,22―21,20―15)
琉球(2敗)
【評】キングスがA東京の守備を最後まで崩せず21点差で敗れた。第1Qは攻撃の形をつくれず、わずか4得点に終わった。守備でA東京を食い止めてロースコアの展開に持ち込み、第3Qは背中を捉え掛けた。しかしA東京は攻守で勢いを落とさず、点差を広げていった。(平安太一)
◆出だしでいかれた
伊佐勉HC(キングス)の話 出だしで(流れを)持っていかれた。前半は重い展開になったけどディフェンスは悪くなかった。ただ、オフェンスは最後まで波に乗れなかった。選手のフィジカルやサイズが今までのリーグと違うので、もっとスピードをつけて補っていきたい。
◆プラン通り進めた
伊藤拓摩HC(A東京)の話 昨日よりもベターにプレーしようと選手たちに伝えており、みんながプラン通りに試合を進めてくれた。試合中の選手同士のやりとりも少しずつ見えるようになってきた。その部分も良かったと感じている。
◆金城気を吐くも、連敗
第1戦のような熱戦を期待したキングスファンの望みはかなわなかった。第1QからA東京の背中を追い掛けながらも、第3Qまでキングスは粘り強く食らいつく。勢いをそのままに一気に追い上げるかと思われた第4Qの開始直後、ミスから連続失点、点差は21点にまで広がった。
キングスの前に立ちはだかったのはA東京の鉄壁の守備だった。インサイドを固める相手に攻撃がはじき返され、激しいプレッシャーの前にリング下の簡単なシュートも落とした。第1Qの開始から7分以上も点を奪えず、伊佐勉ヘッドコーチは「自分たちのオフェンスがやりにくかった」と認めた。
なかなかペースを握れない試合の中で、金城茂之が気を吐いた。第1Qは巧みなステップでA東京の守備をすり抜け、鮮やかなレイアップシュートを沈めた。第3Qには速攻からバスケットカウントを奪うなどチームを引っ張り続け、「あれが僕のやるべき仕事だった」と振り返った。
A東京に力の差を見せつけられ、大敗に終わった。主将の岸本隆一は「完敗だった」と肩を落とす。それでも、「しっかりと受け入れてチームの成長につなげる」と前を向く。
bjリーグ時代は幾度も苦難を乗り越えて強豪チームへと変わっていった。Bリーグでも「強いキングス」として輝くために、新たな挑戦がここから始まる。(平安太一)
◆大宮 守備で奮起 長身、抜群の身体能力
197センチの長身と抜群の身体能力を誇る大宮宏正が苦しい試合でチームを下支えした。外国籍選手にも負けない跳躍で9リバウンドを拾い、2つのブロックショットを決めて相手の攻撃を食い止めた。「思った以上にフィジカルでは負けていない」と強豪チームとの対戦で確かな手応えをつかんだ。
チームは序盤から劣勢となったが、「流れを呼び込もうと思った」とリバウンドに絡み、好機につなげていった。第1戦では専修大時代に一緒にプレーした波多野和也が活躍しており、「すごく感化された」と刺激を受けた様子だった。
開幕から2連敗と厳しい結果にも、「改善点が見えた。プラスに捉えたい」と語る。そして、「もっと高いレベルを追求したい」とチームの強化を誓った。