那覇港の乗降客100万人突破 クルーズ船増で伸長 貨物も過去最高


この記事を書いた人 志良堂 仁

 那覇港管理組合が26日までにまとめた那覇港の統計(速報値)によると、2015年に入港した船舶の総トン数は前年比19・1%増の2887万4千トンと過去最高を記録した。乗降人員は27・0%増の104万8258人で、初めて100万人を突破し、大型クルーズ船の寄港増が旅客利用を大きく押し上げた。物流面でも貨物取扱量が前年比6・2%増の1095万7千トンと過去最高を記録した。

 15年の那覇港への入港船舶数は10・7%増の8750隻だった。このうち外国航路船は622隻(21・5%増)で1485万2千トン(40・1%増)、内国航路船は8128隻(9・9%増)で1402万2千トン(2・8%増)となり、入港船舶の総トン数で外航と内航が初めて逆転した。

 入港隻数は1998年の1万819隻に及ばないが、外航旅客船の近年の大型化と寄港増加により、総トン数では前年に続いて過去最高を更新した。大型クルーズ船の那覇港への寄港数は115隻(うち日本船舶10隻)だった。

 100万人を突破した乗降人員の内訳は外航が81・1%増の40万6095人、内航が6・9%増の64万2163人だった。

 物流では、海外との輸出入(外貿)貨物が2・0%減の116万4千トンと減少した一方で、国内の移出入(内貿)貨物が7・3%増の979万3千トンと伸びたことで全体の貨物取扱量として過去最高となった。

 貨物量の増加について那覇港管理組合は「観光客の増加で県内の物資需要が高まっているためではないか」との見方を示した。

 コンテナ船は外航が408隻、内航が2548隻。コンテナで輸送した貨物量は397万4千トンで、取扱量全体の36・3%を占めた。

 一方、コンテナ数では52万3004個のうち、半数超の28万3975個が空の状態となっている。輸移出量に比べて輸移入量が極端に少なく、沖縄に送る物資を積み込んだコンテナを空で送り返す「片荷」の課題が続いている。