大城みさき、女子重量挙げ2位 いわて国体


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
女子53キロ級以下 クリーン&ジャークで94キロを成功させる大城みさき=2016年10月4日、岩手県の江刺中央体育館

 【岩手国体取材班】第71回国民体育大会「2016希望郷いわて国体」第4日は4日、岩手県内各地で行われ、重量挙げ女子53キロ以下級の大城みさき(ハーツ&ハーツクリニック)はトータル168キロ(スナッチ74キロ、ジャーク94キロ)で2位だった。

◆現役最後、楽しんだ大舞台

 最後の試技は、恩師や仲間、何よりも自分の挑戦にしたかった。「ジャーク100キロ」。約8年前の練習中に失敗して以後、長く付き合うこととなる古傷の原因となった重さだ。バーベルを握り、ぐいっと肩に乗せたまではいいが、そのまま後方に倒れ込んだ。

 有終の美を飾ることはできなかったが、晴れやかな表情で起き上がった大城。静かに頭を下げ、大舞台の階段を下りた。

 リオ五輪代表から漏れ、5月の全日本選手権4連覇で「引退」を決めていたが、タイミングよく岩手国体に女子重量挙げが初採用された。これで気持ちを切り替えた。本来は48キロ級。53キロ以下級に合わせた、体重を少し増やした体は絶好調だった。

 スナッチの1本目、74キロは成功。続く80キロは「思ったより軽くて振り回して後ろに落とした」。修正できず3本目の82キロも失敗した。「80キロを成功していたらスナッチで優勝を狙えた」と悔しがる。続くジャークは92キロ、94キロと順調に挙げ、最後の100キロ挑戦だった。

 結果は2種目とも2位でトータル2位。落とした試技もあったが、県勢が目指す重量挙げ団体5連覇には「貢献できた」と胸をなで下ろした。最後だから「楽しむ」を重視した国体。「仲間と共に沖縄の名を記したユニホームで出場できて良かった」と、目を細めた。(嘉陽拓也)