高校・特支9割退勤記録せず 高教組が県立調査


この記事を書いた人 新里 哲

 県内ほとんどの市町村立小中学校で教職員の出退勤時間が適切に管理されていない問題で、県立高校と同特別支援学校でも県内全81校のうち約9割に当たる76校で退勤時間の記録がなされていないことが県高校障害児学校教職員組合(県高教組)の調べで13日、分かった。

 県高教組の福元勇司執行委員長は「県の教職員の病休発生率は全国最悪レベルにある。健康管理の面から、県教育委員会や管理職には実態を把握して対策に動いてほしい」と求めた。

 県高教組は県内の県立高校、特別支援学校全81校に7日から14日にかけて勤務時間管理の有無を電話などで聞き取り調査した。

 県高教組によると、通常県立学校では出勤時に出勤簿に押印しているが、ほとんどの学校で退勤時の押印はなく、さらに休日出勤は把握できていない。

 一方、県高教組の調べでは勤務時間管理を実施していたのは首里東、糸満、中部商業、南部商業、やえせ高等特別支援学校の5校だった。本紙の取材では糸満と中部商業では平日と休日の出退勤時間を、南部商業とやえせ高等特別支援学校では退勤時間と休日出勤の有無を記録していた。首里東では時間外勤務が80時間に達した教職員に申告を呼び掛けている。

 県教育庁は「教育庁で実施した調査ではないのでコメントできない」とし、同庁が11月から県立学校を対象に導入する教職員の出退勤時間を記録する制度に触れ「同制度で教職員の出退勤時間の適切な把握に取り組みたい」と述べた。