バスケットボールとハンドボールは、全国的に見ても沖縄での人気が高い競技だ。そんな中、バスケットでは沖縄発の新ブランドが立ち上がりTシャツなどが売り出され、ハンドボール日本リーグで活躍する琉球コラソンは今季から沖縄県内ブランドと共同デザインしたユニホームを着用している。沖縄らしさを前面に出し、見た目で「王国」をアピールする取り組みは、競技力や人気も後押ししそうだ。(大城周子)
【バスケット】
バスケットボール専門店「ステップバイステップ」は沖縄発の新ブランド「OKINAWA BASKETBALL KINGDOM」(オキナワバスケットボールキングダム)を立ち上げ、Tシャツやハーフパンツを販売している。KINGDOMは王国の意で、略称はOBKとして売り出している。
琉球ゴールデンキングスの活躍は言うまでもなく、公園やビーチにコートがあるなど沖縄にはバスケット文化が根付く。企画を担当した仲地昭太さんは、自身も中学からバスケットを始め、いまもシニアでプレーする現役選手だ。
OBK最大の特徴は、生地を除いてメードイン沖縄だということだ。ステップバイステップと地元の工場が協力してデザインから縫製、プリントまでを行う。ファッション性のあるツートンカラーで、柄は守礼の門やシーサー、ハイビスカスをモチーフにした。
今後さらにポロシャツや長袖シャツの展開も予定しており、仲地さんは「沖縄好きな人が1枚は持っている、というブランドにしたい」と意欲を見せている。
【ハンドボール】
ハンドボールの日本リーグで唯一のクラブチームとして異彩を放つ琉球コラソン。県内の服飾ブランドYOKANG(ヨーカン)のデザイナー・田中洋さんとタッグを組んだ「ど派手な」ユニホームで、今季はさらに注目を集めている。
これまではスポーツブランド「KELME」(ケルメ)の既存パターンに配色するだけだったが、今季はケルメ側からフルオーダーがチーム側に提案された。提案を受けたコラソンの水野裕矢GMは、知人の田中さんと協力について話をし、とんとん拍子に進んだという。ヨーカンがユニホームを手掛けるのは初めて。田中さんによると、スポンサーロゴの配置や背番号の色など制限がある中での表現に苦心したという。
アウェー戦用は、ヨーカンを代表する白地に紅型が施されたデザインで、鮮やかな色彩が目を引く。対するホーム戦用は一見地味だが、選手たちのシルエットを組み合わせて迷彩柄をつくり出しており、実は粋な演出が隠されている。
9月、ホーム初戦を観戦した田中さんは「ユニホームを着た選手たちが躍動しているのを見て感動した。このデザインが、ファンの増加につながればうれしい」と話した。