高良投手 日ハムが3位指名 プロ野球ドラフト


この記事を書いた人 新里 哲
日本ハムに3位指名され、チームメートに肩車されてガッツポーズする九州産業大の高良一輝=20日、福岡県福岡市の同校

 プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が20日、東京都内で行われ、県勢は九州産業大の投手、高良一輝(興南高出)が日本ハムから3位で指名された。

 高良は「指名されてうれしい気持ちでいっぱい。無事に選ばれて良かった」と安堵(あんど)の笑顔を見せた。念願のプロ野球人生の扉が開いたことに「1年目から投げさせてもらえるようにアピールしたい」と意気込んだ。高良は177センチ、77キロ。右投げ右打ち。興南高では2010年夏に甲子園優勝を経験した。

 日本ハムから3位指名を受け、九州産業大の後輩らに胴上げされて宙を舞い、喜びを爆発させる高良一輝。「小さい頃からの夢だったプロ野球選手になれる」。指名後、少しこわばった表情を浮かべながら同大の記者会見場に入って第一声で喜びを表現すると、安堵(あんど)の笑みを見せた。

 小学1年時から野球を始めた。興南高に進学した2010年、夏の甲子園で興南の春夏連覇に立ち会った。甲子園での登板機会こそなかったが、大舞台で頂点に立った経験が強心臓をつくった。

 大学進学後、ウエートトレーニングを始め、1年で体重は約8キロ増加。球速は6~7キロ上がった。公式戦では通算270の三振を奪うなどエースとして活躍。15年春の全国大会では1試合に16三振を奪い完封した。「満足した結果が出た」と手応えを感じ、プロを強く意識しだした。

 だが、今年の3月の試合中に右足の内転筋を痛めた。秋に向けて大事をとり、春のリーグ戦は出場できなかった。だが、高評価は変わることなく、球団スカウトの足が途絶えることはなかった。

 高良自身は「今までケガをしたことがなく、ケアの必要性に気付けて良かった」と振り返る。最終学年という焦りもあったが前向きに捉えて練習に取り組んだ。大久保哲也監督は「マウンド上では打たれても抑えても表情に出さない。それが武器だ」と評価する。

 夢に向かって踏み出したからこそ「続けさせてくれた両親に今までありがとうと伝えたい」と感謝の気持ちが強くなる。すでにマウンドに立つ自分を強くイメージしている。「まっすぐの切れとコントロールを武器に1年目から活躍したい」。進化を続ける右腕の挑戦は始まったばかりだ。(崎原有希)