大宜味村役場旧庁舎、国の重要文化財に 文化審議会が答申


この記事を書いた人 金城 美智子
国の重要文化財指定が答申された大宜味村役場旧庁舎=大宜味村

 文化審議会(馬渕明子会長)は21日、大宜味村の大宜味村役場旧庁舎について、国の重要文化財(建造物)に指定するよう松野博一文科相に答申した。旧庁舎は1925(大正14)年に完成、県内では最初期の鉄筋コンクリート造建築かつ現存する最古のもので、役場庁舎としては全国的にも先駆的な事例という。審議会は「沖縄県における鉄筋コンクリート造建築の普及発展を理解する上で、高い価値を有する」と評価した。

 近く答申通り告示される。今回の指定で、重要文化財に指定された県内の建造物は22件となる。有形、無形、民俗、記念物を合わせた国指定文化財では159件目。

 旧庁舎は2階建てで、延べ床面積は182・62平方メートル。十字形と八角形を組み合わせた独特のデザインを取り入れている。72年まで役場として使われていたが、その後も活用されており、現在は村史編纂(へんさん)室として使われている。

 設計は、熊本出身で国頭郡の建築技手だった清村勉氏が手掛けた。木造建築が主流の時代に、台風やシロアリ被害の対策として、当時では珍しかった鉄筋コンクリート造を採用した。【琉球新報電子版】