「琉球人」多彩な顔並ぶ 垂見さん、初の写真集刊行


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モノクロとカラーで昔と今の「ウチナーンチュ」を写した垂見健吾さん=20日、那覇市天久の琉球新報社

 沖縄の島々や人々を撮り続け、「南方写真師」の肩書を持つ那覇市在住の写真家・垂見健吾さんが初の「琉球人(うちな~んちゅ)の肖像」(スイッチ・パブリッシング、1944円)を刊行した。約30年にわたって撮影した142人のポートレート(肖像写真)を収めた。世界のウチナーンチュ大会連携イベントとして、沖縄市で26日から、那覇市で27日から写真展を開く。

 長野県出身で、復帰直後に仕事で初めて沖縄を訪れて以来頻繁に通うようになり、沖縄の人の彫り深く生命力のにじむ「顔」に引かれた。

 1985年から93年まで県内各地で撮影したモノクロ写真「琉球人の肖像」には、故・嘉手苅林昌さんや照屋林助さんなど著名人のほか、高校生や市場で働く人まで多彩な顔が並ぶ。

 2008年からは「新琉球人の肖像」と題し、カラーで撮影を続けている。「沖縄の血や文化が混じり合った人たちの魅力を記録したいと思った」。移民2世や3世、親のいずれかが海外や県外の人を被写体にし、米ハワイ州のデービッド・イゲ知事やテレビなどで活躍するジョン・カビラさんも登場している。

 26日から11月20日まで沖縄市のプラザハウスショッピングセンター3階で、ポートレートに沖縄の風景などを加えた300点を展示する。那覇市のタイムスビルでは10月27~30日、「新琉球人の肖像」から40点ほどを展示予定。問い合わせは垂見健吾写真事務所(電話)098(869)8869。